牧子が提唱する正しい電話のかけ方。 1.着信音を『大統領からお電話です』にする。 2.雑踏で電話がかかる。注目が集まる。 3.おもむろに受話器を取って「私だ。何? わかった、すぐ行く」
「王様のマンゴーにはチラリズムがある」
牧子はラブソングを信じない。 ラムも不可。
「オカバンゴ! オカバンゴ!」
牧子はよくルパンの物真似もする。 やっぱり全然似ていないのでいつも驚く。
牧子はルンバを踊れると主張して譲らない。
牧子はロケットの良さがわからない。
牧子の目薬は未だに「ロートこどもソフト」。
好きな漫画家は迷わず水木先生でたまに鼻息が荒い牧子。
「どっちがビル・マーレイで、どっちがボブ・マーレィだっけ?」
「私は今日からゆとり世代になる」
夏の暑さでフリフリの服を腕まくりする牧子は「クールビズ」と言うがどう考えても腕まくりでしかない。 というか普通の服を着ればいいのに。
「『どんだけー』の人はさっさと流行語大賞を取ってテレビから消えて欲しい」
「それより本田の引退試合」
「日本でチャーチルみたいにかっこいいこと言える政治家いないでしょ」 「まあ、片山虎之助はかっこよかったけど」
「増産体制って聴くと、なんだかクレヨンしんちゃんみたい」 「は?」 「ぞーさん体勢」
「メガマック食べたら本気で気持ち悪い」
時々牧子の耳はネコからネズミになる。 「何で変えるんだ?」 「大自然の摂理を体現」
牧子はよくロッキーの物真似をする。 全然似ていないのでいつも驚く。
「同級生にね、遠藤大介って子がいたの」 「それで?」 「あだ名がED」
「カレー嫌いであるにもかかわらずインド人に生まれた悲劇!」
牧子は先割れ部分を舌に刺して遊ぶ。 時々「いてっ」と言う。 外国語訛りで「まがれー、まがれー」と曲げるときもある。
「え? これが大根? 嘘!」
深夜、牧子がテレビのノイズをじっと見ながら、時々「あ、馬」とか呟いていた。 「何やってるんだ?」 「砂の嵐作戦」
「電脳ペット」と聞いた牧子は咄嗟に顔が赤くなった。
「もえー。もえもえー」 「頼むからやめろ」
あくびを見られた牧子は、慌ててインディアンの真似を始める。
「四番、高倉」 「パクるな」
家に帰ったら牧子がメイド服で 「お帰りなさいませご主人様。にゃん」 と言ったので無視した。 嫌な顔で「チッ」と舌打ちされた。
子供を背負った父親とすれ違った牧子が、ぽつりと呟く。 「……オンブズマンってなんだっけ?」